 |
| 琿春市に日中合弁会社 |
 |
| いなば石材環境整備協同組合が設立 |
|
●採石や加工品販売
●境港―図們江
●定期航路開設に弾み |
境港市が友好都市提携している中国・琿春市に、いなば石材環境整備協同組合（鳥取市古海、高橋正義理事長）が山陰両県の法人としては初めての合弁会社を設立、営業を開始した。
琿春市は吉林省内の延辺朝鮮族自治州にあり、図們江開発の拠点都市。この合弁会社ができて物流が生まれたことで、境港と図們江地区の港を結ぶ定期航路開設へ弾みがつくと関係者は期待している。 |
|
設立された日中合弁会社は「琿春三和石業有限公司」。日本側が鳥取県東部地区の五石材店でつくる同協同組合と、中国側は琿春日環経貿有限公司（琿春市、金弼代表）が計約百二十万元（約千七百万円）を出資して八月二十八日に設立した。役員は日中合わせて九人、社員十人は現地採用した。
同合弁会社は琿春市内に花こう岩の鉱山二つを所有。採石と原石の日中両国への販売をはじめ、各種石材による加工と墓石や建築石材、環境石材など加工製品の販売、石材製品や資材などの輸出入を行っている。また、日中お墓文化の交流や石材製品関連事業コンサルティング業務などを手掛けている。
同社中国側代表で社長の金弼さん（四七）は延辺朝鮮族自治州の州都・延吉市の出身。この九年間、米子市安倍に住み、境港を通じた山陰地方の企業と図們江地区の法人との経済交流に尽力。六年前に中国から原石や石材製品の共同購入、共同販売のため設立された、いなば石材環境整備協同組合の海外事業部長を務めている。
|
同協同組合理事長で合弁会社日本側代表の会長を務める高橋正義さん（六一）（岩美町蒲生）は「現在、中国からの石材は南部の福建省で加工したものを境港から輸入している。ここの技術が高いためだが、鉱山の原石を取り尽くしており、琿春市には原石の豊かな鉱山があるのが魅力。将来は合弁会社のある同市で石材加工工場をつくりたい」と話す。
今年、琿春市友好提携十周年を迎えた境港市は九月下旬に記念事業派遣団（団長・黒見哲夫市長）が記念事業に参加。高橋さんと金さんも記念事業に出席し、そこで合弁会社設立が披露され、黒見市長も琿春市の金昌俊市長も喜んだという。
こうした下地があって合弁会社設立という経済交流に結実した。境港貿易振興会の長谷川欣吾参与は「この合弁会社が引き金となって、吉林省と交流している鳥取県、島根県の企業から次の合弁会社が生まれることを期待したい。そうなれば、境港との定期航路開設の実現性も高まる」と話している。
|
|
